家づくりの話になると、「広いリビングが欲しい」という声をよく耳にします。
家族みんなでくつろぐ場所。
休日を過ごす場所。
友人を招く場所。
リビングは、住まいの中心として考えられることが多い空間です。
もちろん、それは素敵な考え方です。
でも、少しだけ立ち止まって考えてみたいことがあります。
家族が集まる理由は、本当にリビングだからなのでしょうか。
私たちは、家づくりのご相談を受けるとき、
「どんな間取りにしたいですか?」より先に、
「どんな暮らしがしたいですか?」というお話を伺うことがあります。
朝はどんな時間を過ごしていますか。
休日はどこでコーヒーを飲みますか。
お子さんはどこで宿題をしていますか。
家族との会話は、いつ自然に生まれますか。
そんな何気ない日常の積み重ねが、住まいづくりのヒントになるからです。
例えば、
食事が終わっても、そのままダイニングで話が続くご家庭があります。
キッチンで料理をしながら会話が弾むご家庭もあります。
読書をしている人。
宿題をする子ども。
お茶を飲む人。
それぞれ違うことをしていても、同じ空間で時間を共有している。
そんな風景も、立派な「家族が集まる暮らし」です。
そこに「リビング」という名前が付いているかどうかは、
実はそれほど重要ではないのかもしれません。

実は、私の家にはリビングがありません。
家の中心にあるのは、大きなダイニングテーブルです。

私は壁に向かったキッチンで料理を楽しみ、
妻はお気に入りのヌックでくつろいでいます。
その隣では、娘がおもちゃを広げたり、絵本を読んだり。
それぞれが好きな時間を過ごしていても、
不思議と同じ空間にいる安心感があります。
「ご飯できたよ。」
その一言で、みんなが自然とダイニングへ集まり、食卓を囲みます。
「今日は何して遊んだの?」
「仕事でこんなことがあってさ。」
そんな他愛もない会話を楽しみながら食事をして、
食べ終わればまた、それぞれのお気に入りの場所へ戻っていく。
私たちが大切にしたかったのは、いつも同じ場所で過ごすことではありません。
近すぎず、遠すぎず。
同じ空間で、それぞれが好きな時間を過ごせること。
それが、私たち夫婦にとって心地よい暮らしでした。
家づくりでは、「〇畳以上のリビング」や
「人気の間取り」といった情報を目にすることがたくさんあります。
もちろん、それらは参考になります。
しかし、誰かにとって心地よい家が、
自分たち家族にとっても心地よいとは限りません。
大切なのは、流行の間取りを取り入れることではなく、
自分たちの暮らし方に合わせて空間を考えることです。
住まいは、家族の毎日を受け止める器だからです。

私たち4RDesignが大切にしているのは、
「家を建てること」ではなく、「暮らしをデザインすること」です。
間取りやデザインは、そのための手段の一つ。
家族が自然と顔を合わせる場所。
一人の時間を心地よく過ごせる場所。
趣味を楽しめる場所。
何気ない毎日が、少し好きになる場所。
そんな暮らしが生まれる住まいを、一緒に考えていきたいと思っています。

P.S.もしこれから家づくりを始めるなら、
こんな問いから考えてみませんか。
「私たち家族は、どんなときに自然と集まっているんだろう。」
その答えが見えてくると、必要な部屋の広さや間取りは、
少し違った景色に見えてくるかもしれません。
でも、その答えは一人で考えても、意外と見つからないものです。
だから私たちは、
家づくりの前に「暮らし」について話す時間を大切にしています。
「どんな家を建てるか」ではなく、
「どんな毎日を送りたいか」。
そんなことを一緒に整理する場として、
暮らしの相談室をご用意しています。
土地も、間取りも、予算も、
まだ決まっていなくて大丈夫です。
家づくりを始める前だからこそ話せることがあります。
もし少しでも、「私たち家族らしい暮らしって何だろう」と感じたら、気軽に遊びに来てください。
そこから、家づくりが始まることもあるのです。

著:志道 勇
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