外構工事は、暮らしを育てるきっかけ。一本の木から始まる家族の物語

新築やリノベーションで家づくりを考えるとき、皆さんは「外構工事」にどれくらいの予算を考えていますか?

間取りや内装、住宅設備にはじっくり時間をかける一方で、外構工事については、つい後回しになってしまうこともあります。

もちろん、家づくりの予算には限りがあります。

室内の設備を充実させたい。お気に入りの家具を購入したい。将来のために、できるだけ費用を抑えたい。

優先順位は、ご家族によってさまざまです。

そんな中で、私たちが外構工事を提案するときに大切にしているのは、**「その外構が、これからの暮らしにどんな楽しみをもたらしてくれるだろうか」**という視点です。

今回は、外構工事が持つ魅力について、少しお話ししてみたいと思います。

外構は、ある意味「家具」のようなもの。

以前、弊社の社長がこんなことを話していました。

「外構や庭の植栽は、ある意味、家具のような役割を持っていると思うんだよね」

例えば、ダイニングテーブル。

食事をするという機能だけを考えれば、必ずしも高価なものを選ぶ必要はありません。

それでも、お気に入りの木材を使ったテーブルや、デザインに惹かれた椅子を選ぶ人はたくさんいます。

少し予算を上げてでも、気に入ったものを暮らしに取り入れたい。

それは、単に機能を満たすだけでなく、その家具がある暮らしそのものに価値を感じているからではないでしょうか。

外構も、同じように考えられると思います。

駐車場を整備する。玄関までのアプローチをつくる。道路からの視線を遮る。

もちろん、そうした機能は大切です。

でも、玄関先に一本の木を植えてみる。

その木を、夜には柔らかな照明で照らしてみる。

たったそれだけでも、家の印象は大きく変わります。

仕事から帰ってきたとき、温かく照らされた我が家が迎えてくれる。

そんな何気ない風景が、日々の暮らしに小さな喜びを与えてくれるかもしれません。

私たちが、完成予想パースに一本の木を描く理由。

4RDesignでは、新築やリノベーションをご提案する際、図面だけでなく、完成後のイメージを伝えるためのパースも制作しています。

その際には、室内のインテリアだけでなく、建物の外観や庭など、エクステリアも含めて考えます。

例えば、ダイニングに座ったとき。

「この窓から緑が見えたら、食事の時間がもっと心地よくなるだろうな」

建物の正面を眺めたとき。

「ここに植栽を加えて、足元から照明を当てたら、家全体がもっと温かい印象になるだろうな」

そんなことを考えながら、一つひとつの空間を描いていきます。

そして、お客様にパースをご覧いただくときには、デザインの説明だけでなく、そこに込めた思いもお伝えしたいと考えています。

「確かに、この外構を実現することで、少し予算が上がるかもしれません。場合によっては、ほかの部分で調整が必要になるかもしれません。

それでも、ここに一本の木を描いたのは、この木がご家族と一緒に成長し、いつか我が家への愛着につながってくれたら、という願いを込めたからなんです」

もちろん、最終的に何を優先するかは、お客様が決めることです。

植栽の管理が負担になる方もいれば、その予算を別のことに使いたい方もいらっしゃるでしょう。

それでも、私たちが考えた暮らしの可能性を、一つの選択肢としてお届けできたら。

私たちが提案したいのは、完成した空間の美しさだけではなく、その先にある暮らしの楽しさなのです。

家は、完成してからも育っていく。

家づくりには、「経年変化」という楽しみ方があります。

無垢材の床に刻まれた小さな傷。

使い込むほどに風合いを増す真鍮の金物。

少しずつ色や表情を変えていく木製家具。

新品のときにはなかった表情が、時間とともに生まれていきます。

もちろん、すべての変化が好ましいものとは限りませんし、適切なお手入れも必要です。

それでも、長く使う中で生まれた傷や風合いに、特別な愛着を感じることがあります。

庭にも、同じような魅力があります。

植えたばかりの小さな木が、5年、10年と時間をかけて成長していく。

春には新芽が芽吹き、夏には木陰をつくり、秋には葉の色を変える。

その変化を眺めながら、家族もまた時間を重ねていきます。

住まいの経年変化とは、素材の変化だけではなく、そこで暮らす家族の思い出が積み重なることでもある。

私は、そんなふうに感じています。

小さな花壇から始まった、私の庭づくり。

少しだけ、私自身の経験をお話しさせてください。

私は中古住宅を購入し、リノベーションをして暮らしています。

購入した家は、古い団地の一角に建つ住宅でした。

ご近所には年配の方が多く、広い庭で家庭菜園やガーデニングを楽しんでいるお宅がたくさんあります。

私たちが購入した家にも、以前の住人が使っていた花壇や小さな畑が残されていました。

ある日、ご近所の方とお話ししていると、

「前に住んでいた方は、そこにこんな植物を植えていたのよ」

「私は、この椿が好きなの」

と、庭のことを嬉しそうに教えてくれました。

そんな会話がきっかけとなって、私も少しずつ庭づくりを始めてみることにしました。

最初は、花壇に花やカラーリーフを植えるところから。

次に、金木犀やスモークツリー、アカシアを鉢植えしてみました。

夏には、子どもと一緒にトマトやピーマン、オクラなどの家庭菜園にも挑戦しました。

自分たちで育てて、収穫した野菜。

その味は、きっとこれからも忘れないと思います。

そして、不思議なことに、庭に少しずつ彩りが増えていくにつれて、ご近所の方から声をかけていただく機会も増えていきました。

最近では、ご近所付き合いを負担に感じる方も少なくないかもしれません。

実は、私自身も最初は少し不安でした。

それが今では、すっかり「庭とも」です(笑)

庭づくりを始める前には、こんな楽しみが待っているなんて想像もしていませんでした。

一本の植物が新しい会話を生み、その会話が次の楽しみにつながっていく。

そんな小さな出来事の積み重ねが、私にとって、この家への愛着を深める大切な経験となっています。

すべてを、最初から完成させなくてもいい。

外構工事というと、建物の完成に合わせて、庭やアプローチもすべて整えるイメージがあるかもしれません。

もちろん、最初から完成度の高い外構をつくることにも魅力があります。

でも、予算や暮らし方によっては、少しずつ手を加えていく方法もあると思います。

最初は、一本のシンボルツリーだけ。

暮らし始めてから、お気に入りの植物を増やしてみる。

子どもが大きくなったら、庭の一角を家庭菜園にしてみる。

休日に家族で花壇をつくってみるのもいいでしょう。

ただし、将来の楽しみを残しておくことと、何も計画しないことは違います。

例えば、後から植栽を加えられるようにスペースを確保しておく。

将来の照明設置を想定して、配線の準備をしておく。

駐車場や生活動線、排水計画など、後から変更しにくい部分は、最初にしっかり考えておく。

そうすることで、今は予算を抑えながらも、将来の庭づくりを楽しむ余地を残すことができます。

今の暮らしだけでなく、これから変わっていく暮らしまで想像すること。

それも、私たちが大切にしたい外構計画の一つです。

家があって、庭がある。それが「家庭」。

家づくりは、建物が完成し、お引き渡しをしたら一つの節目を迎えます。

でも、そこで暮らすご家族にとっては、むしろ新しい生活の始まりです。

お気に入りの家具を選ぶ。

床についた傷を、いつか懐かしく思い出す。

庭の木々を育てる。

子どもと一緒に、初めての家庭菜園に挑戦する。

そうした何気ない出来事が、一つずつ積み重なっていきます。

ひとつのエピソードが住まいへの愛着を生み、その愛着が、また新しいエピソードをつくっていく。

家は、そうやって少しずつ「我が家」になっていくのかもしれません。

家があって、庭がある。それが「家庭」。

もちろん、立派な庭がなければ、豊かな家庭がつくれないということではありません。

小さな花壇でも、玄関先の鉢植えでも、日々の暮らしを楽しくしてくれるものは、きっと見つかります。

大切なのは、そこに暮らす人が、自分たちらしい楽しみを見つけ、愛着を持って住まいを育んでいくこと。

私たち4RDesignができるのは、そのきっかけをつくることなのかもしれません。

一本の木から始まる、家族の物語。

そんな未来を想像しながら、これからも住まいと、その先にある暮らしをデザインしていきたいと思います。

人生を、ちょっと楽しく。

4RDesign


この記事を書いた人

志道 勇|4RDesign 広報

暮らしを書いています。

家づくりのこと。

毎日の小さな気づきのこと。

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