2025.10.29
引っ越してから半年ほどが経ちました。
新しい家での暮らしにも慣れ、最近ようやく「暮らす」という感覚が自分の中に馴染んできたように思います。

我が家は、自分たちの暮らしに合わせて設計したリノベーション住宅。
間取りから仕上げまで、丁寧に考えて作った空間ですが、住み始めて感じたのは、
”家が自分たちに合わせてくれる”だけではなく、
”自分たちも家に育てられている”という感覚でした。
金木犀の香りと、整える時間
玄関前には、小さな鉢植えの金木製を置いています。
家を出るときも、帰ってくるときも、その香りがふわりと迎えてくれる。
季節の移ろいと共に香りの濃淡が変るのを感じると、
「この家で暮らしているんだな」と心が落ち着きます。

以前は休日に特にすることもなく、外へ出かけることが多かったのですが、
新居に住み始めてからは、休日に”家のことをする”のが日課のようになりました。
掃除や植物の手入れ、少しだけ家具の配置を変えてみる___
そんな小さな行動が、自分の暮らしを整える時間になっています。
暮らしの中で感じた”共存共栄”
リノベをして実感したのは、
家は「完成」した瞬間がゴールではなく、
そこから”共に育っていく存在”だという事です。
暮らしの手をかけるたび、
空間の心地よさも自分の感覚や価値観も、少しずつ更新されていく。
それはまるで、家と自分がお互いに支え合いながら成長していくような感覚。
日々の掃除も、最初は「やらなきゃ」だったものが、
今では”整える心地よさ”に変わりました。
汚れを落とすというより、
空間を済ませていくような感覚。
床が綺麗になると、家の空気まで軽くなる気がして、
「今、暮らしが豊かになった」と思える瞬間が増えました。
設計段階で意識した”暮らしのしやすさ”
我が家のキッチンは、あえて収納扉のないオープンタイプにしました。
フロア全体が掃除しやすく、見た目にも軽やか。
設計の時から「日々の手入れがストレスにならない事」を意識していたので、
今その効果を実感しています。

図面上ではほんの小さな工夫でも、
実際の暮らしの中では大きな違いになります。
リノベーションの魅力は、こうした”暮らしやすさの積み重ね”を形にできること。
それは見た目のデザイン以上に、住む人の時間を豊かにしてくれます。
暮らしを育てるという事
リノベを終え、引っ越しを済ませてから思うのは、
「家を整えることは、自分を整えること」だという事です。
完璧を求めるのではなく、
日々の暮らしの中で少しずつ手をかけ、心地よくしていく。
それが”暮らしを育てる”という事なのかもしれません。
金木犀の香りに季節を感じ、
床を拭く音に静けさを覚える。
そんな一瞬一瞬が、暮らしの豊かさを作っていく。

家と共に、私も育っている____
そう感じられる今の時間が、リノベして一番良かったと思う事です。
さいごに:暮らしに少しの手間をかけてみる
特別なことをしなくても、
一日ひとつ「家のことをする」。
それだけで、暮らしは少しずつ豊かに育っていくと思います。
リノベは家を変えることだけでなく、
暮らし方や自分自身を見つめ直すきっかけ。
住まいと向き合う時間の中にこそ、
本当の豊かさが隠れているのかもしれません。